WordPress Download Managerで「重大なエラー」が出た話｜同じ失敗を防ぐ方法

WordPressを使っていると、ある日突然、

このサイトで重大なエラーが発生しました

という表示だけが出て、サイトが見られなくなることがあります。
経験者の方なら分かると思いますが、これは本当に焦ります。

私自身、今回このエラーに直面し、原因特定まで約4時間かかりました。
しかも状況がややこしかったのは、

• Edgeブラウザでは普通に表示できる
• ChromeやFirefoxではエラー表示
• Jetpackからは「サイトダウン」の通知

という、これまで見たことのない挙動だった点です。

この記事では、その原因となった
WordPress Download Manager（作者：W3 Eden, Inc.） を中心に、

• なぜこんなことが起きたのか
• どう切り分ければよかったのか
• 同じトラブルを防ぐにはどうすればいいか

を、専門知識がなくても分かるように解説します。

Download Manager（W3 Eden, Inc.）とはどんなプラグイン？

Download Managerは、WordPressで

• ファイル配布
• ダウンロード管理
• パスワード保護
• ダウンロード回数の計測

などを行える、非常に多機能なプラグインです。

WordPress公式ディレクトリでも利用者が多く、
「定番プラグイン」という印象を持っている方も多いと思います。

作者は W3 Eden, Inc.。
複数のWordPress関連製品を開発している企業で、
決して無名な開発者というわけではありません。

それだけに、今回のトラブルは予想外でした。

実際に起きた症状を整理すると

今回の状況をまとめると、次のようになります。

• プラグインを 有効化すると即エラー
• 無効化すると サイトは正常表示
• ブラウザやアクセス経路によって挙動が変わる

この時点で、原因はほぼ
「プラグイン＋環境依存」 に絞られます。

なぜブラウザによって表示できたりできなかったのか？

ここが一番分かりにくいポイントでした。

Download Managerは内部で、

• ブラウザ（User-Agent）
• ログイン状態
• Cookieやセッション
• キャッシュの有無

といった条件を見て、処理を切り替えています。

その結果、

• Edge（過去のキャッシュあり）→ 表示できる
• 他ブラウザ・Jetpack監視 → PHPの致命的エラー

という 条件付きエラー が発生していました。

これは利用者側では非常に気づきにくく、
「自分の環境だけおかしいのでは？」と悩みがちです。

Jetpackが「サイトダウン」と通知した理由

Jetpackの稼働監視は、

• 自分とは違うIPアドレス
• 別のユーザーエージェント
• キャッシュを使わない状態

でサイトをチェックします。

つまり今回の場合、

Jetpackから見ると、確かにサイトは落ちていた

という状態でした。
Jetpackの誤作動ではなく、
別の条件下で本当にエラーが起きていたというわけです。

PHPバージョンとの相性も無視できない

もう一つ重要なのが PHPのバージョン です。

Download Managerは機能が多く、
PHP8.2や8.3など 新しいPHP環境で不具合が出る報告 も見られます。

最近のレンタルサーバーでは、

• PHPが自動更新される
• 知らないうちに8系に上がる

というケースも多く、
プラグイン側が追いついていないと致命的エラーにつながります。

同じトラブルを起こさないための対策

今回の経験から、特に大切だと感じたポイントをまとめます。

① 問題を起こしたプラグインは無理に使い続けない

有効化しただけでサイト全体が止まるプラグインは、
今後も同じ事故を起こす可能性があります。

代替手段があるなら、
早めに乗り換える判断も大切です。

② PHPは「安定版」に固定する

おすすめは PHP 8.1。

• 対応プラグインが多い
• 新しすぎず安定している

自動更新はオフにして、
必要なときだけ自分で変更する方が安全です。

③ プラグイン更新・導入前の最低限チェック

ほんの1分でできます。

• 最近のレビューを見る
• 最終更新日を確認
• PHP対応状況をチェック

これだけでも、トラブル回避率はかなり上がります。

代替として検討しやすいプラグイン

シンプルにファイル配布をしたい場合は、

• Download Monitor
• Simple Download Monitor

など、比較的軽量で安定性の高いプラグインもあります。

まとめ：このトラブルは「誰にでも起こりうる」

今回の「重大なエラー」は、
特別な操作をしたわけでも、無理なカスタマイズをしたわけでもありません。

• 人気プラグインを入れた
• 環境が少し変わった
• 条件が重なった

それだけで、サイトは簡単に止まります。

WordPressは便利ですが、
プラグイン1つで全体が影響を受ける仕組みでもあります。

この記事が、
同じように時間と精神力を消耗する方を一人でも減らせたら幸いです。