本が売れない時代はウソ?最新データで検証|電子書籍・オーディオブック急成長の真実

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「本屋がどんどん閉店している」
「若者は本を読まない」
「本が売れない時代だ」
テレビやネットで、こうした言葉を目にすることが増えました。
確かに、駅前の書店がなくなったり、紙の雑誌が休刊したりする現実を見ると、「もう読書の時代は終わったのではないか」と感じてしまいます。
しかし、結論から言えば――
“本が売れない”というのは、半分正しく、半分は誤解です。
今起きているのは「読書離れ」ではなく、読書の形の大転換です。
この記事では、電子書籍・オーディオブック・動画プラットフォームの影響を踏まえながら、「本が売れない」の正体を整理していきます。
紙の本は減っている ― これは事実
まず冷静に事実から見ましょう。
紙の書籍・雑誌の売上は、長期的に見ると減少傾向です。
特に雑誌市場は大きく縮小し、地方の書店が経営難に陥るケースも増えました。
そのため、
「本が売れない」
という言葉が広まりました。
しかし、ここで重要なのは、
「紙の本が減っている」=「読書そのものが減っている」ではない
という点です。
電子書籍市場は拡大している
紙が減る一方で、電子書籍市場は着実に拡大しています。
スマホやタブレットの普及により、
・通勤中に読む
・寝る前に読む
・すぐダウンロードして読む
という読書スタイルが一般化しました。
電子書籍の特徴は、
- 在庫リスクがない
- 印刷・物流コストがかからない
- 個人出版が可能
という点です。
つまり、「売れる構造」そのものが変わったのです。
昔は出版社と書店を通さないと世に出なかった本が、今は個人でも発信できる。
これは衰退ではなく、民主化です。
「読む」から「聴く」へ ― オーディオブックの急成長
さらに注目すべきは、オーディオブック市場の拡大です。
代表例が、Amazon系の音声読書サービス
Audible です。
通勤中、家事中、運転中。
「目を使わない読書」が可能になったことで、
- 忙しい社会人
- 子育て世代
- 活字が苦手な人
が、新たに読書層へと取り込まれました。
これは重要な変化です。
本が売れないのではなく、
“読む時間がない人に届く形に変わった”
のです。
YouTubeやTikTokは敵か?味方か?
「動画の時代だから本が売れない」という意見もあります。
確かに
YouTube や
TikTok
の影響は大きいです。
人々の可処分時間は有限です。
動画視聴時間が増えれば、読書時間は減る可能性があります。
しかし、ここにも逆の現象が起きています。
動画がきっかけで本が売れる、という流れです。
- 書籍解説チャンネル
- 要約動画
- 著者インタビュー
- SNSでの紹介
動画は“読書の入口”になっています。
特に若年層では、SNSで話題になった本が売れる傾向が強く、
動画と出版は競合というより「連動関係」にあります。
本が売れないのではなく、「無名が売れにくい」時代
もう一つ大きな変化があります。
それは、
情報が飽和していること。
AIに質問すれば、要点は数秒で出てきます。
わざわざ300ページの本を読まなくても、概要は分かる。
だからこそ、
- 一般論
- どこにでもある知識
- AIが書けるまとめ
は売れにくくなりました。
しかし逆に、
- 体験談
- 立場性
- 思考プロセス
- 失敗と修正の物語
は価値が高まっています。
つまり、
情報は無料化
文脈は有料化
という構造変化です。
データが示す本当の変化
近年の出版データを見ると、
- 紙は減少傾向
- 電子は増加
- 音声は成長市場
という傾向が明確です。
これは衰退ではなく、再編です。
例えるなら、
フィルムカメラが減り、デジタルカメラが増え、
さらにスマホ撮影が主流になったのと同じ。
「写真がなくなった」わけではない。
「撮り方が変わった」だけです。
読書も同じです。
では、これから何が売れるのか?
AI時代に売れるのは、
- その人の人生の温度がある文章
- 迷いの軌跡
- 思考の裏側
- 立場に根ざした視点
です。
単なるノウハウは、AIが代替できます。
しかし、
「50代教師の視点」
「地方で副業を模索するリアル」
「親依存から抜け出した内省」
こうした具体的文脈は代替できません。
未来に残るのは、“平均値”ではなく“固有値”です。
結論:本は死んでいない
「本が売れない時代」という言葉は、
一部の現象を切り取った見出しにすぎません。
実際には、
- 読書の形が変わり
- 流通が変わり
- 発見経路が変わり
- 価値の源泉が変わった
だけです。
本は死んでいません。
むしろ、
本というメディアは進化している最中です。
最後に
これからの時代は、
読まれない時代ではなく、選ばれる時代。
その変化を理解した人だけが、
未来の読者とつながることができるのです。

