「このサイトで重大なエラーが発生しました。」はなぜ表示されるのか?“最悪な表示”をあえて全員に見せる理由

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WordPressのサイトを訪れたとき、突然こんな表示が出たことはないでしょうか。
このサイトで重大なエラーが発生しました。
正直に言って、
ものすごく印象が悪いメッセージです。
- サイトが壊れている印象
- 管理されていない感じ
- すぐに離脱したくなる
実際、運営者としてこれを
訪問者全員に見せてしまった と思うと、
ショックと怒りが込み上げてくるのも無理はありません。
では、なぜWordPressは
こんなに不親切でマイナスな表示を
「わざわざ」出すのでしょうか。
結論から言うと、この表示は「訪問者のため」ではありません
このメッセージは、
- 読者のため
- ユーザー体験のため
に作られたものではありません。
WordPress自身を守るための“緊急停止メッセージ”
それが、この表示の正体です。
WordPress内部で何が起きているのか?
このメッセージが出るとき、
サイト内部では PHPの致命的エラー(Fatal Error) が発生しています。
致命的エラーとは、
- 処理を続けると危険
- 情報漏洩の可能性がある
- データ破損につながる
そんなレベルのエラーです。
WordPressはここで判断します。
「もう何もするな。
これ以上動かすと危ない。」
なぜ“全員”に同じ表示を出すのか?
ここが一番腹が立つポイントですが、理由は明確です。
WordPressには「余裕」がないから
致命的エラーが起きている状態では、
- 管理者か
- 一般訪問者か
- 検索エンジンか
を 安全に判別する処理すら動かせません。
そのためWordPressは、
全アクセスを一律で止める
という、
一番安全だけど、一番不親切な方法を選びます。
昔はもっとひどかった
実は、この仕様は「改悪」ではありません。
以前のWordPressでは、
- PHPエラー全文表示
- サーバーパス丸見え
- 内部構造が露出
という、
セキュリティ的に最悪な状態でした。
それを防ぐために、
- 詳細は隠す
- 固定文言だけ出す
- 強制的に停止する
という設計に変わったのです。
訪問者・検索エンジンへの影響は?
訪問者への影響
正直に言って、
- 信頼は一気に下がる
- ほぼ確実に離脱される
これは事実です。
検索エンジンへの影響
ただし、ここは少し安心していい点です。
Googleは、
- 短時間の500エラー
- 一時的なサイトダウン
を 日常的なトラブルとして扱います。
数時間以内に復旧していれば、
検索順位への影響は ほぼありません。
本当の問題は「この表示が出ること」ではない
本質的な問題はここです。
プラグイン1つで、
サイト全体が止まる構造になっていること
WordPressは便利ですが、
- プラグイン依存
- PHPバージョン依存
- キャッシュや条件分岐の影響
を強く受けます。
だからこそ、
一つのミスが「全員に最悪の表示」につながるのです。
運営者ができる現実的な対策
① 安定構成を最優先する
- 多機能プラグインを入れすぎない
- 「便利そう」で選ばない
- 実績と更新頻度を重視
② PHPは安定版に固定
おすすめは PHP 8.1。
- 新しすぎない
- 対応プラグインが多い
- トラブルが少ない
自動更新はオフにしましょう。
③ 管理者だけログで原因を見る
訪問者には見せず、
原因はログで確認します。
define('WP_DEBUG', false);
define('WP_DEBUG_LOG', true);
④ 最悪時のために“逃げ道”を用意
- サーバー側のエラーページ
- メンテナンス表示
これだけでも、
「壊れているサイト」より印象は良くなります。
まとめ:この表示は“あなたのせい”ではない
「このサイトで重大なエラーが発生しました。」
この表示を見て、
- 自分が悪いのでは
- 運営者失格では
と思う必要はありません。
これは WordPressの安全設計の結果 です。
ただし、
- 同じ事故を繰り返さない
- 設定と構成を見直す
ことで、
次は防げるトラブルでもあります。
この記事が、
同じ表示を見て不安になった誰かの助けになれば幸いです。


