WordPressの癌？ マット・マレンウェグが語るWP Engineの闇

WordPress創業者のマット・マレンウェグ氏が、プラグインACFの開発元であるWP Engineに対して対立している背景には、いくつかの複雑な要因が絡み合っています。

主な対立の背景

• ACFの買収とオープンソースの精神:
  WP EngineがACFを含む複数のプラグインを買収したことで、オープンソースコミュニティでは、ACFの将来や商業的な利用に対する懸念が高まりました。マット氏は、この買収を「WordPressの癌」とまで表現し、オープンソースの精神に反する行為だと強く批判しています。
• WordPressへの貢献度:
  マット氏は、WP EngineがWordPressコミュニティへの貢献が十分ではないと主張しています。特に、WP Engineが「Five for the Future」という、収益の5%をオープンソースに貢献するという取り組みに対して、十分な貢献をしていないことを問題視しています。
• ビジネスモデルとの相違:
  WP Engineは、WordPressを基盤とした商用サービスを提供する企業であり、そのビジネスモデルは、オープンソースコミュニティの価値観とは必ずしも一致しません。マット氏は、WP EngineがWordPressを「ハックして」金儲けしていると主張し、そのビジネスモデルを批判しています。
• コミュニティの分裂:
  この対立は、WordPressコミュニティを大きく二分する事態を引き起こしています。WP Engineを支持する声も根強く存在する一方で、マット氏の意見に賛同し、WP Engineの行為を批判する声も少なくありません。

具体的な対立の経緯

• アクセス制限:
  マット氏は、WP Engineのホストや従業員のWordPress公式ディレクトリへのアクセスを制限しました。これにより、WP Engineが所有するプラグイン、特にACFの更新が困難になりました。
• フォークの作成:
  マット氏は、ACFのフォークを作成し、WordPress公式ディレクトリに掲載しました。これにより、WP Engine版のACFと、マット氏が作成したフォーク版のACFが共存する状況になっています。
• 人材の流出:
  この対立の影響で、Automattic（マット氏が率いる会社）から多くの従業員が退職しました。

この対立が意味すること

この対立は、オープンソースソフトウェアの開発とビジネスモデルの両立という、現代における重要な課題を浮き彫りにしています。また、WordPressという巨大なプラットフォームにおける、コミュニティの力と企業の力のバランスについても考えさせられます。

今後の展望

この対立がどのような形で収束するのか、あるいは長期化するのかは現時点では不明です。しかし、この対立は、WordPressの将来にとって大きな影響を与える可能性があります。